Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

今、僕は

大きな声では言えないけれど(だから文書を書くのだけれど)、『おくりびと』は見なくてもいいかな、との思いあり。
なんで?と聞かれたら、ゴニョゴニョと言い淀んでしまいそうだし、ポニョポニョと口ずさんでしまいかねないんだけれどね。
なぜにはっきりとした理由を、堂々と提示できないのかと言えば(書けば、または打てば)見てもいいかな、との思いもあるから。
つまり、積極的に見たいという思いはないけれど、絶対に見たくないとも思っていない。
ただ、これは言える(書ける、または打てる)。

多くの人が見るわけだから、映画そのもの、それと制作やプロモーションなどに関わった人たちにとっても喜ばしいわけです。
幸せなわけだよね。
だったら自分が映画館に映画を見に行くというさほど多いわけではない行為を、限られた資源を、どのように配分するのか、という企業の経営戦略、事業戦略みたいなお話になってしまったけれど、ここはひとつ、公開される劇場が少ない、あるいは公開期間が短そうな映画を見に出かけたいな、という思いがあるんです。
もし『おくりびと』(に限ったことじゃぁないけど)と同レベルの見たさの映画があった場合は、見る人が少なそうな、そして語られる機会、書かれる言葉の数が少なそうな映画の方をチョイスして見に行くよ。

ということで早速見に行きました。アカデミー賞で『おくりびと』が受賞をした後でね。

その映画は『今、僕は』という作品で、宇多丸師匠が大推薦していたのを知って興味を持っていたんだ。
それで見に出かけました。現在上映しているのは渋谷のアップリンクなる映画館。
渋谷にはたくさんの映画館があって、シネマライズユーロスペースなどには過去に何度も行ったことがありますが、アップリンクは初めて。東急本店、文化村の右の脇道を入り、ズンズン進むと右手に現れます。
小学校の教室かそれより小さな広さの部屋での上映で、普通に家に置かれているような椅子が並べられている、というのも、独特。
予告編の前に、竹馬靖具(ちくま・やすとも)監督ご本人が登場し、このように語っていました。

  • 説明、原因、理由は削除しました。(ということはそのようなシーンを撮影したが編集段階で削除したということでしょうね)
  • 『今、僕は』という題名には“瞬間”や“動き”という意味もあります。

なお、監督は主演でもあります。脚本や編集、プロデューサーも竹馬さん、25歳。
少しネットで調べたら友達の引きこもりをきっかけに映画を作り始めたそうですが、これが初監督作品とのこと。
扱っているテーマは、ニート、ひきこもり。
リアルな手触り、肌触り。と言っても、リアルなニート、リアルなひきこもりを知るわけではないし、リアルなそれも千差万別なわけだし。
でも、子供を思って指図する親を鬱陶しいと思う子供の表情を含む言動、これは誰もが覚えがあるんじゃないでしょうかねぇ。
普通に反抗期の少年少女が親にするようなそんな反応、態度、それが画面に復元されていると感じましたよリアルにね!