Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

木村俊昭氏と浅野忠信氏

これは必ず見る!と決めて見ているテレビ番組はほとんどない男、それが、こ、の、ボ、ク、福田十二指腸です。
たまたま見た番組について書きます。NHK*1の「プロフェッショナル仕事の流儀」なる番組で取り上げられていた木村俊昭氏(農林水産省大臣官房企画官/地域活性学会理事)。
プロフィールは下記ご参照。

1960年北海道生まれ。1984小樽市入庁し、議会事務局、経済部商工課・産業振興課、企画政策室などを歴任。歴史的建造物を活用した全国初のライトアップ、東京から老舗ガラス工房を誘致して「ガラスの街・小樽」としてのブランド化などに成功。こうした街おこしの手腕を買われ、2006年より内閣官房地域活性化統合事務局(2007年10月9日に統合)の企画官として出向。地域活性化に関する政策、地域再生制度事前・事後評価、地域と大学との連携講座「地域活性化システム論」の開講、地域活性化に関する調査・研究などを担当。2009年4月より農林水産省大臣官房政策課企画官。主に土・日は全国各地で講演等を展開中。地域活性化伝道師。北陸先端科学技術大学院大学非常勤講師。地域活性学会理事。

引用元
http://www.socio-design.jp/2009/kimura-090523-1.html

番組内容はうろ覚えのところもあり、正確に記述しようと思えばネットで調べることでそれもできますが、それはせずにおこうと思います。
氏は北海道出身で東京の大学に通い、地元のために何かをしたいとの一心で小樽市役所に勤務、最初はしかし希望している地域活性化の業務をやらせてもらえずにいて、それでも半ば勝手に企画を考え企画書を作り上司などにアピールし続けた結果、念願かなって活性化に取り組めることになったという経緯があるといいます。
小樽市は当時、

  1. 漁業の衰退
  2. 小樽市の景気悪化
  3. 漁業で使うガラス製の道具の需要減退
  4. ガラス職人たちのモチベーションや自信低下

というような悪循環で、なんとか活性化せにゃならん!でもどうやって?という時代だったようです。
上に引用したプロフィールにあるように氏は「歴史的建造物を活用した全国初のライトアップ、東京から老舗ガラス工房を誘致して『ガラスの街・小樽』としてのブランド化などに成功」しました。番組では、当時企画されたガラス職人をはじめ職人に焦点を当てた「職人展」だったか、そのようなイベントを行う際、氏がある「世界的大物職人」を招こうと本気で考え、オファーを出したことを紹介していました。
これには度肝を抜かれました。肝を3〜4本引っこ抜かれた思いです。
ここで言う「世界的大物職人」というのは、なんとマイクロソフトの社長、ビル・ゲイツ氏!
木村氏曰く、「ビル・ゲイツさんは職人の中の職人です」とのこと。
その発想、考え方、着眼点。奇をてらっていないのか、多少はてらっているのか、そのあたりは番組内でも言及されていませんでしたが、見ていて受けた感触からすると、木村氏はいつも真剣、真面目、本気で取り組んでいるということです。
結局ビル・ゲイツ氏は都合が悪く来る事はできませんでした、が、副社長氏がそのイベントに来場、という成果を収めました。驚きです。
その後、引用したプロフィールにあるように、中央からの引き抜きにあうという異例の事態。
同僚はキャリア官僚たち、あるいは国内の大手企業から出向している人たち。
そんなエリートたちにも一目置かれている木村氏は、毎朝始発から間もない電車で通勤し、朝のうちに前日名刺交換した相手にメールでお礼と今後何か機会を設けて一緒におもしろいことを企てていきましょうという熱いメッセージを送っています。毎日!
これはいつも全国各地を飛び回り、困っている市町村に赴きアドヴァイスを与えているためで年間に名刺交換する人数は4000人*2もいるからですよ!。
いきなり呼ばれて初めてそのエリアの現状を見て適切なアドヴァイスなんてできるのかい?と思いますが、彼の場合、全国各地を実際にその目で見てきていおり、活性化施策の事例も熟知していて衰退する町が抱える問題もおそらく類型化して頭に入っているので、そこに定住し生活を営む人々には思いもつかぬことを別の切り口から意見することができるのだと思われます。
そして彼は結局そのエリアの魅力はそのエリアに元々あるものであるから、それをどう引き出すか、今は埋もれてしまっているものにどうやって光を当てて際立たせるか目立たせるのかというようなことを言っていました。このへん、私=福田十二指腸による意訳という感もありますが、概ねニュアンスはこんな具合です。
氏のあきらめない姿勢、人と会う時はいつだって真剣勝負で遊びじゃないんだという姿、なにより苦しそうでつらそうじゃない楽しそうで前向きな表情・笑顔に感化されました。
同じ時、浅野忠信氏のインタビュー記事をWebサイトで読みましたが、
「仕事がつまらなかったりつらいと感じることがありますが、自分が好きで選んだ仕事をそう思うということは、自分が悪いわけで、面白く感じるように自分でしていけば良いと考えている」
というような発言をされているのを読み、木村氏から受けた感銘に近いものを感じたことをここに記します。
最近浅野氏の出演作をあまり見ていないことに今気づきました。

*1:日本放送協会

*2:先述の通りより正確な数字は調べればわかりますが、それはせず記憶にある通り書いています!アシカ・ラ・ズー!