Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

統計から闘鶏へ(2009年10月3日、家路における列車内にて、記)

スチャダラパーのアルバム『11』、キリンジのアルバム『43分23秒』(適当に記した。盤名覚えておらず。走る弟か兄をインタビューする兄か弟、のジャケットがユニークであり、唐変木のためのガイダンス、牡牛座ラプソディ、BBQパーティーなどが収められている。今、浅草線の中でiPodを確認したところ盤名は『47'45"』と判明)を最近よく聴く。
よく聴くという意味は相対的な尺度を表しており、そもそも音楽を聴く機会がかなり少ない。
分母が小さい。
打率は高いが打数もヒット数も大したことない。
イチローは打率という確率の高さよりもヒット数にこだわっている。
ホームランはホームラン率ではなく本数を競う。ヒットは本数の一番よりは確率、つまり統計的確実性が一番の選手が讃えられる。
日本プロ野球においては現在、年間タイトルとして最多安打は正式に設けられている。かつて打撃王といえばシーズン最多安打者を指したものだ。
日本野球史に輝く打撃王は イチローであり張本勲であり、長嶋茂雄である。
長嶋茂雄は17年の現役生活でルーキー・イヤーを筆頭に10回の打撃王となった。また17試合を数えた開幕戦で10本のホームランをかっとばしファンを熱狂させた。
躍動感に溢れる長嶋の打撃走塁守備、文字通り一挙手一動足は華やかでダイナミック、先日2回にわたりNHKで放送された長嶋と王の特集番組で流れたその姿はスポーツの真髄を体現していた。
西岡剛の迫力満点の守備、森本ひちょりの長い手足をいっぱいに使ったベースランニング、梵の果敢な守備…彼らの中に長嶋的なもの、ナガシマ*1なるものを感じる。もちろん元気なころのウルフの溌剌としたプレイの美しさ格好良さは完全に、そのものだった。最もアニマル的なナガシマ本人に、アニマル的だと言わしめたウルフ由伸。彼の復活を心待ちにしています。
荒々しさゆえにハリケーンと呼ばれたナガシマを完全に封じ込めたのは、大学時代の盟友であり、野村克也の最強のパートナーとなった杉浦忠で、史上最も美しいフォームで投球した彼を人は貴公子と呼び、時にマウンドの彼を白鳥の羽ばたきと見間違えたファンもいた … 書きながら目の前に座るカップルの人目憚らぬバカップルぶり、ラブプラスぶりに呆れた … 今降りていったので疲れた体を空いたシートに預けたところ。救いは2人が美男美女だったこと。見るに耐えないことはなかったから。とは言え見たくないもののひとつに変わりない。
帰宅したら芋の天婦羅を肴に晩酌をキめるぜ!

夢は野山を駆け巡る。夢はフィールドを駆け巡る。フィールド・オヴ・ドリームズ。ひちょりがダイヤモンドを駆け巡る。梵が青木がラミレスが。



昼過ぎに五反田の細い街路を歩きながら木更津キャッツアイを見たいと思ったんだ。いや、キャッツに逢いたいと思った。野球狂の詩に集い馬鹿馬鹿しい泥棒計画を練るキャッツに。口論し罵倒し合うキャッツに。ジョッキで乾杯するキャッツに。


(2009年10月3日、家路における列車内にて、記)

*1:片仮名で名字を記す例としては重松清を表す「シゲマツ」、藤巻兄弟の特にバイヤーの弟を表す「フジマキ」が思い出される。