Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

橋口亮輔監督「恋人たち」

今日テアトル新宿の9:50の回で見ました。会場はほぼ満席。
内容は実にシリアスでありながらユーモラス、事前情報はあまり耳に入れずに映画を見たいのですが、今回はTBSラジオ荻上チキsession22に橋口監督が出演された回を数日前にpodcastで聴いたばかりだったので、前作「ぐるりのこと」公開後に監督自身が体験した悲惨な出来事がかなり反映されていることなどを知った上で見ました。主たる演者3人がほぼアマチュアの役者であるということも知った上で。
が、そうであろうとなかろうと、ヒリヒリするようなリアリズム表現と、光と音楽の効果的な(素朴で力強い)使い方がもたらす浮遊感、ファンタジー色をやや帯びた表現の、絶妙なバランスに魅了され、見ていてずっと緊張感があり、主たる3人の登場人物それぞれの中に観る者=私自身を見出しました。
これについては是非見た人と色々な話がしたいと思いますが、あまりにも公開劇場数が少なくて勝手に私は悔しがっています。
なぜシネコンでは見たいと思えないような映画ばかりが流れ、このような多くの人に見てもらいたい(そして感じたり考えたりしてほしい)作品は流れないのか、誰か教えてください(とただ書いただけで理由を教えてほしいとは思っていません、本当は)。