はじめての山陰
一昨年の2月末に山口県萩市を観光で訪れたことを抜きにすれば、ゼロ年代最後のゴールデン・ウィークに訪れた出雲*1、松江*2、境港*3が「My First 山陰地方」ということになります。
〜を抜きにすればという前提を設ける理由は、小題を「はじめての山陰」にしてしまったからであり、これを書き換えるのも面倒だからです。
http://d.hatena.ne.jp/mussel/20060812/1155351424
- 鬼太郎列車は米子駅のゼロ番線を発車した。
http://furusato.sanin.jp/p/area/sakaiminato/5/
http://www.sakaiminato.net/site2/page/guide/point/miru/mizuki/mizuki/
- 水木しげる記念館で知った氏の経歴は凄まじい。特に面白かったのは、
- 31人が受験し30人合格でたった1人落ちたことや、
- 戦争でラッパが吹けなくてラッパ隊をクビになったとか、
- 就職しても概ね2日程度でクビになったとか、
- 39歳か40歳で親が焦って見合いさせたら10日くらいで結婚したとかいう、のんきなエピソード。
ゼロ年代最後のゴールデン・ウィーク、他には姫路をレンタ・サイクルで疾駆したり浜松近くで太平洋を望んだり道の駅で味噌カツを食したり平山瑞穂氏の『忘れないと誓ったぼくがいた』を読みました。
ここは読んだりもしました、と書いても良いのだろうか、むしろそう書くべきだったのではないか、と今になって思っていますが、結論は出さずに保留ボタンを押下します。
なお
レンタ・サイクルを借りて自転車で疾駆した経験を有しています。
つまり「風になる」のが好きなのです。
ただ、「風邪をひく」あるいは「風邪になる」には好きではありません。
My Second Mizuho
我が2冊目の平山瑞穂著作、それは前述した『忘れないと誓ったぼくがいた』という作品です。
初めて読んだ氏の作品は『ラス・マンチャス通信』、これは帯に書かれていた森見登美彦氏の推薦コメントが目立っていたのと解説文かあらすじの類が魅力を伝えたことが購入の理由でした。
グロテスクな感触が独特で、タイプは全然違うまでも少し前に読んでいた津原泰水氏の『蘆屋家の崩壊』とも共通する表現力(適当すぎる「表現」ですいません。私の「表現力」のなさを露呈する「表現」です!少し読み返してみると、「グロテスクな感触が独特」という「表現」も全く何も伝えられない「表現」だということが判明!でもこのまま書き進めますよ!)の豊かさに惚れ惚れしたことは忘れられません。
デビュー作である『ラス・マンチャス通信』で強烈なインパクトを私に与えた平山瑞穂氏、氏のブログはこれまた津原泰水氏のブログというかWEBサイトにおける文章同様に、真剣に綴られており、時には表現者の誇りを傷つけられたことについて悲しみや怒りを交えて書かれているのですが、そのブログで氏の諸作品はいずれもその題名だけでも魅力的なことを知りました。
http://hirayama-mizuho.cocolog-nifty.com/blog/
著作の題名は、
が主たるものであり*1、ほら、この題名だけでもなんだか独特な面白みを感じませんか?
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: 文庫
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さて、ゼロ年代最後のゴールデン・ウィークに島根鳥取兵庫静岡の観光旅行のお供に選んだのが『忘れないと誓ったぼくがいた』で、特急列車や新幹線のスピードに「乗せられて」、ついつい特急あるいは超特急のスピードで読んでしまった次第です。
普段なら書籍にペンを入れながら、すなわち「いいね!」と思う言葉だとか「?」と思ってしまうような突っ込みどころに印を付けまくりながら読むのです、が、今回は一切ペンを入れずにペンを握らずに読みました。
んーと、どんな話かってぇと、高校3年生男子の主人公が出会った高校2年生の帰国子女の女子と過ごす夏〜冬に至る期間に起こる「信じ難い」出来事が主です。
登場人物がとにかく少ないことがかなり気になってしまいました。つまり、必要最小限の人物しか登場しないのです。それがゆえかどうかわかりませんが作品世界に奥行き、立体感、感触といったものがあまり感じられなかったのが残念!
とはいえ、高校3年生だった男子が高校卒業からさほど時を経ずに執筆しているという「設定」だと考えれば、それは問題ではなく、むしろリアリズムなのかとも思える次第。氏流のリアリズム。文章の勉強をしたこともないであろう男子が書く文書といえばこの程度であろう、という、そのリアリズム。
しかし、高校生活の描写でさえもリアルではなく、私の感想は、作家が安易な想像で書いている高校生活っぽい、というものです。
先に私が欠点だと思うことを書いてしまいましたが、じゃぁこの小説は(先日見た映画『鴨川ホルモー』なみに)つまらないのか、と言えば、簡単にそう言いきることはできない作品です。
どんな作品か、その話の筋は?ということで言うと、新潮社のサイトから引用することで説明することを回避しようと思うので、下記引用をご参照!!
と、思いましたが
私はこの下に引用するようなあらすじめいたものを一切知らずに読み始めたので結構楽しめました。
特に最後の方は。
なので今後読もうかなと思っている人がいて、
私の場合は下に引用するようなあらすじを知らずに読んだ方が
きっと知ってから読み始めるよりも楽しめたはず、というか
おそらくはそうなんじゃないかと思うわけですが
自分もあらすじを知らずに読みたい、
ということであれば
ここより下は読まない方が
良いかもね。
↓
新潮社のWEBサイトより引用します。
※やっぱりやめます!
引用はしません。
あらすじめいたものはここにあります。
http://www.shinchosha.co.jp/book/135481/
私はまた時間をおいてから読み直したいなと思います。
全然説教臭くないですよ!