Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

『最高裁物語』

古本屋の文庫コーナーは出会いの宝庫。
気になった本はどんどん手にとって購入し、
我が部屋の床に積みあがって行くのです。
さて、その堆積から取り出したるは『最高裁物語』(上・下)。

最高裁物語〈上〉秘密主義と謀略の時代 (講談社プラスアルファ文庫)

最高裁物語〈上〉秘密主義と謀略の時代 (講談社プラスアルファ文庫)

江戸裁判ショーこと大岡越前や遠山の金さんにはあまり興味がなかった僕が
なぜこの本を買ったのかは忘れました。
たぶん一冊105円二冊で210円というお値打ち感がそうさせました。
ああ、でも…そんな風になにげなく出会った本に目を開かれてしまったのです。
僕は裁判所でのドラマを知ってしまいました。
法律の体系が完備しているように思われる現代でも、
法の解釈次第で判決が劇的に変わるということを。
時には裁判官の思想的な立場や個人的感情が判決に大きく関わるということを。
予想を裏切る金さんばりの痛快な判決が今でもあり得るということを。
「裁く」という行為はなんと深いのでありましょう。
この本のオリジナルが出たのは10年前。
ちょうど僕がドキドキ学園卒業後に浪人していたころです。
もしあのころこの本を読んでいたら法学部への進学を目指していたことでしょう。
そして司法試験を受験し、落ちつづけ、今ごろは路頭に迷っていたでしょう。
10年前に出会わなくてよかった。
 (本項、Alfred 著)