Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

むさくちゃムーサは務まらない

私は常々音楽にルックスは関係ないと考えています。
音楽を聞く者は、心の中の雑念、雑音を取り払って
ただ音の響きだけを受け取るべきなのです。
『オー・ブラザー』という映画があります。
http://www.gaga.ne.jp/o-brother/index2.html
この映画の印象的なシーンの一つは、ジョージ・クルーニー
演ずる主人公がラジオ番組の収録現場で
『Man Of Constant Sorrow』という曲を歌う場面です。
主人公の歌声を私は興奮するほどにかっこいいと感じました。
当然のごとくサントラを劇場にて購入です。
オー・ブラザー! オリジナル・サウンドトラック
やはりというべきか、クルーニーの歌声は吹き替えでした。
声の主はDan Tyminski。恰幅がよく、口ひげとあごひげを
生やし、ネルシャツとジーパンの似合う男です。
率直に申し上げて、むさいおじさんです。
さて、CDのブックレットにティミンスキ氏の写真が掲載されて
いる以上、聞き手としては、『Man Of Constant Sorrow』を
彼のルックスを踏まえて聞かざるを得ません。
すると、…あの劇場で感じた興奮をどうしても感じることが
できないのです。
やはり映画音楽は映画館で聞いてこそ魅力があるのだという
話にしてしまうこともあるいは可能かもしれません。
しかしサントラの他の曲はけっこういいんです困ったことに。
認めたくはありませんが、私はむさい紳士が歌っている姿を
想像して若干萎えているのかもしれません。
あるいは、クルーニーのルックスに萌えていた
(正確にはおそらく、彼の眉毛に萌えていた)ために
歌声の魅力を虚偽に誇大して捉えてしまったのでしょうか。
というわけで、音楽をやるにはルックスがいいに越したことはないという話でした。
 (本項、Alfred 著)