Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

共通点

これら2冊、村上春樹氏の新作は上下2冊なので3冊とも言えますが、これらの共通点は、2時間程前にJR西船橋駅構内の書店で品切れだったということです。
なお、小松成美氏の著作については速読したい本リストに名を連ねています。

1Q84』、どうしても前作『アフターダーク』のこともあり、読みながら余計なことを考えてしまいます。
余計なことを考えるのはとっても素敵なことで、例えば映画を見ながら全然違うことを思い浮かべてしまってついついスクリーンを見ながらも物語を追えなくなってしまうことなどを私は決して良くないとは思わず、むしろ別のことを考えさせてくれる作品には「ダンケ!」と声をかけたいくらいです。それは小説を読んでいる際でも同じなのですが、今回ついつい私が読みながら考えてしまうのは、その小説の世界、物語世界が私の心に働きかけたため、ということではなくて、物語の仕組み、構成要素、部品としての日本語、さらには出来栄えのようなもの、ことで、あぁ、それは本当に余計だな、殊に村上春樹氏の久しぶりの著作を読んでいる今は!と思ってしまうのです。
つまりいつもの小説読書時にはほとんど生じない、作品世界にもっと没頭したいという欲求があるのです。

中学生時代に新発売されるCDを待望し、こづかいの範囲内でレンタルするものと買うものに分け、買うもについては店頭に並ぶ1日前に入手すべく実家から自転車で30分の市内の繁華街にある2つのCD屋のうち1つ、具体的には本八幡のシャポー2Fの新星堂かパティオ1Fの伊藤ミュージックシティに放課後に赴き、購入!
既にレディオでリッスンし、TDKかマクセルかソニーアクシアのノーマルポジションの薄型ケースのカセットテープにエア・チェック録音したものを何度となく聴いている*1とはいえ、なんとしても早く手に入れたくて楽しみに発売日の1日前を待った日々。
この度の『1Q84』にはそれに似た思いを抱きました。事実1日前にジュンク堂池袋店で購入。
リアル・タイムでビートルズが活躍していた頃の世界の若者がどんな気持ちで新作を待っていたか、想像するのは容易ではないけれど、不可能ってわけでもないな、と思う次第。

この新作の発売を前にして古川日出男氏による村上春樹氏のロング・インタヴューを読みました。
そこで語られていたことはこの新作とも概ね合致しているという印象です。
しばしば、小説と呼ばれる作品に対する批判の仕方で「これは物語であって小説ではない」というようなものがありますが、意識的に物語を紡ぎそれを小説としている村上春樹氏。いしいしんじ氏もそうかもしれません(と書きましたがマトモに読んだことはありません。イメージにすぎません)。

もう1つ、1か月程前だったか、雑誌TVブロス誌で理系男子特集が組まれていましたが、第2特集あるいは裏特集で、文系男子の最高峰「ムラカミ・ハルキ」特集がありました。これは傑作!
「春だから春樹」という見出しも秀逸、名前だけで選ばれてインタヴューに答えたモト冬樹氏、その他、ハルキ風文体について、絶対にユリイカなんぞではやるわけがない取り上げ方扱い方に、深夜、火を吹いて笑ったことは記憶に新しい!

YOSHIKI/佳樹

YOSHIKI/佳樹

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

YOSHIKI/佳樹』と『1Q84』が品切れだったJR西船橋構内の書店にて、書店員の女性に
「すみません、百人一首のマンガ、ありますか?タイトルは忘れてしまったんですが・・・」
と尋ねると、
「『ちはやふる』ですかね?」
との答えが。ビンゴ!(とは勿論言いませんし、思いもしませんでした。ただ書いただけです。)
そう、それですそれそれ、ということで、4巻かそれよりもっと発売されているようでしたが、とりあえず1、2巻を購入。
少し読んでみましたが、面白そうな感じでした。
衿沢世衣子氏の新刊、『天心モナカ』改め『シンプルノットローファー』も買わねば。これは私が衿沢世衣子氏を知ったきっかけとなった作品です。
そんなわけで、森見登美彦氏の『恋文の技術』を途中まで読んでいましたが、一旦手を離れることに。
その他、神門善久氏の農業関連書籍、月泉博氏の流通関連書籍、あるいはSFマガジンの増刊号なども読まれることを待っている筈です。
また、久々に『スラムダンク』、『めぞん一刻』を読みたい気持ちがないといえばウソになります。

*1:シングルの場合。アルバムの場合でも bay fm などではほぼ全曲を紹介するケースもあった。発売前におなかいっぱいにさせるのはリスナーから、CDを買って帰宅して最初に聴くときの驚きや喜びや失望などの衝撃を奪ってしまうことになるんだよなぁ、などと今思い返しつつ、でも当時ラジオで発売前の曲がシングルなら3か月前から聴けるというのを楽しみにしていました。立ち読みする雑誌、What's inやCD屋のチラシ、貼り紙類で発売情報を入手し、曲名を覚え、ラジオで流れるのを待ち、ラジオDJの曲紹介直後に録音ボタンを押下!空気をキャッチする感覚がたまらない!ノイズが入らないように工夫するのもまた切なくて・・・