久々に小説を読みました。
と、書いた瞬間に、あ、そうでもないや、と、久々ではないことに気付いたのですが・・・
例えば今日も職場への往来の電車移動中に「女のいない男たち」という村上春樹氏の最新短編集を読みました。
それ以外では久々に読んだ小説(短編集の中の冒頭に収められた作品)が、「交換日記はじめました!」という作品です。
中田永一氏という聞きなれない作家の短編集。
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『吉祥寺の朝比奈くん』という名を冠した短編集には、題名にもなっている「吉祥寺の朝比奈みくるくん」ならぬ、「吉祥寺の朝比奈くん」をはじめ、計5作品が収録されており、私は今しがた1つ目に収められた作品、「交換日記はじめました!」を、入浴中に読み始め、そして読み終えたのです。
新たな書き手のフレッシュな魅力が存分に、とも称せましょうし、短編の名手による過不足なき(というよりも、分量的には物足りないくらい)、キラリと光る掌編、と言っても違和感のない、いかようにも称しうる、作家像。
風呂で読んでいる身体に湯がすんなりと馴染むように、あるいは五月の薫風が髪を自然に撫でるかのように、かくも自然に読者たる私が作品世界(過去であり現在である)に紛れ込んでしまう(登場人物の隣にいるような感覚になる!)、という読書体験でありました。
実際、私は中田永一氏の正体を存じ上げており、更に言うならば正体を知って興味を持った(それまでも氏の別の作品の存在は認知していましたが関心を持てなかったのです)のでした。
- 作者: 中田永一
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