Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

セグメンテーション

市場=マーケットを開拓するとき、STPがあって、次いで4Pがある、つまり、市場=マーケット全体を標的=ターゲットとしてマーケティングの諸活動≒4Pを行うのは自社の資源を効率的に使えない、無駄が多い、ということで、
S=Segmentation(マーケット・セグメンテーション,市場細分化を行う)

T=Targeting(細分化した市場のどれを標的市場とするかを決める)

P=Positioning(標的市場≒潜在顧客層の心の中で自社の商品(等)が既存商品(等)との関係から、どのように位置付けられるか、どのように位置付けてもらおうとするかを決める)
の順に標的とすべき潜在顧客層を明確化し、更に既存商品(等)に対して明確な差異を持つ特異な位置にあることを潜在顧客層に対して伝えることが重要で、その後、具体的な戦術としての4P(Product、Price、Place、Promotion)を計画し実践していく。
と、フィリップ・コトラー教授が提唱して以来、STPは、マーケティングの教科書に掲載される有名な手法であり、理論であります。

上記がこれから新しい事業を立ち上げようとする場合や、新たなブランドを作っていこうとするとき、新商品を開発するときなどの市場開拓を目的とする場合に用いられる方法論であるのに対し、既存顧客の中で、誰に対して特に手厚い対応をするべきか、などを検討する際にも、「セグメンテーション」だの「ターゲティング」といった語が用いられることがあります。
例えば小売店舗にとっての既存顧客=カスタマーとは、自店を利用する習慣のある人のことかもしれないし、他の何らかの定義があるかもしれません。と書いて、もし小売業の人に自社の顧客とは誰の事ですか?と質問しても、定義を答えられる社員は少ないので?という疑問を抱きました。
それはともかく、新たに開店する小売店舗の場合、既存顧客はいないわけで、潜在顧客が想定されるだけなわけですね。そして潜在顧客は、商圏内に住む、または勤務する人のうち、自社で取り扱う商品を必要とする人すべてかもしれないし、何らかの定義が定められているかもしれませんね。これまた明確に定義が設けられている(例:3km圏内に居住ないし勤務する20歳以上の男女)ことは稀なのかもしれません。
既存顧客の中で誰を重要な顧客と見なして優遇策を講じるかなどを議論、検討する場合の、セグメンテーション、ターゲティングは、コトラー言うところのSTPのSTとは意味が異なる・・ということを(ことが)、この読みづらい文を通じて私が述べたいことです。

前者、コトラーのSTPにおけるSが、マーケット・セグメンテーションであるのに対して、後者、小売店舗における既存顧客の中で誰=どの(ような)顧客層を重要顧客層と見なし対応を検討しようとする時におこなうSは、カスタマー・セグメンテーションなのです。

セグメンテーションという語をいい加減に使うとよろしくないですよ、ということを言いたかったのですが、これが誰に向けた文章なのか(つまり潜在的読者層を幾つかに細分化し、その中でどのような人たちに対してこの文章を書いているのか)が、曖昧、というよりも一切考えられていない、顧客志向ならぬ読者志向を欠いたものであることは誰の目にも明らかです。