Mussel Docking World

発汗、発光の末、発酵!をモットーに、音楽的な活動をする二人組、Mussel Docking (マッスル・ドッキング)のブログです。

長嶋茂雄氏のリハビリはトレーニングさながら

今日TBSテレビで放送された「独占!長嶋茂雄の真実」(http://www.tbs.co.jp/program/nagashima_20150103.html)なる番組は、スタジオで長嶋茂雄氏と娘の三奈氏に対して、阿川佐和子氏がインタヴューをしながら、各種の映像を交えて送る、という構成でした。
40年前、長嶋茂雄選手が引退した時に行われたセレモニーをサザンオールスターズの桑田氏、当時、青山学院大学1年生で夢も希望も抱いていない18歳男子だった氏は、喫茶店内のテレヴィで見たそうで、見ながら泣いたとのことです。現役時代、監督時代を通じて、氏は長嶋のアップ&ダウンの壮絶な人生を見て色々なものを学んだ模様で、「栄光の男」なる曲をつくり、サザンの曲として発表してもいます。番組では桑田氏へのインタヴューやサザンによる演奏シーンも流れました。
さて、長嶋氏は10年前に脳梗塞で倒れましたが、その後、非常にハードなリハビリに耐え、そして、今もそれを継続して、身体に不自由なところは残っているものの、しばしばテレヴィなどを通じて私たちの前に元気な姿を見せてくれるようになりました。現在、78歳。
リハビリの様子が、かなり間近に迫った映像で紹介されていましたが、非常にハードなそれは、三奈氏も語っていましたが、さながら現役選手のトレーニングのよう。
そして、まだ右腕などに後遺症(麻痺)が残っているにも関わらず、今回の番組ではかなり(リハビリ時の服装など、おそらくテレヴィ放送であることを意識したようなものはあるとは思いますが、それにしても生々しい)実像に近い素の姿を見せていました。
同じ病や、他の病であっても、病に苦しみくじけそうな人たちへの応援メッセージという意味合いが強いのだと思います。

誤解を恐れず申し上げるならば、長嶋茂雄氏は、現役時代も監督時代も現在も、見られることを多分に意識した上でのパフォーマティヴな行動をとり続けている人物だと言えるでしょう。
ただ、現役時代はトレーニングしているところは基本的には見せることをせないという、注目され夢や憧れを投影される存在であるがゆえのプロフェッショナリズムに依拠する美学、ないし、責任感に貫かれた行動であったのに対し、今は、苦労し頑張っている姿(リハビリしている姿、現役時代におけるトレーニングに相当する)をあえて人目にさらしているという違いがあります。

  • 現役時代:かっこいい姿を見せるべき、それによりファンに夢を与える
  • 脳梗塞以降:かっこわるくとも病と闘う姿を見せる、それにより闘病者などに希望や勇気を与える

たまに一茂氏が、現役時代、監督時代の父・茂雄氏は、家庭を顧みないところもあった、ということを話しているように、注目される宿命にある人物として、今でも長嶋茂雄長嶋茂雄であり続けています。
今は、現役時代、監督時代とは180度違うかたちで、人々に何かを伝えてくれているんだと思います。
録画したので改めて見たいと思っています。

追記
読売ジャイアンツ時代の松井秀喜氏に対して、長嶋茂雄監督(当時)が、東京ドームの個室でマンツーマンでバッティング指導していたのはよく知られたエピソードです(その他、長嶋の自宅でも行われました)。
今回の放送では、その個室にて、松井氏が長嶋氏の前で素振りをする貴重なシーンも放送されました。現役引退した松井氏ですが、久々に恩師の前で、あの頃毎日のようにしていたトレーニングと同じようなスイングを繰り返したことでかなり力が入っていました、また、それに応えて長嶋氏も甲高い声で「オーケー!」と叫んでいました。
(と、追記として、単に事実を列挙しました。特に考察めいたものを付記することもせずに。)